院長ブログ
臭い玉(膿栓)とは?原因・取り方・予防法をご紹介
「喉の奥に白い塊がある」
「臭い玉は自分で取ってもいいのかな?」
このようなお悩みはありませんか?
臭い玉は、喉の奥にある扁桃腺にできる小さな白い塊です。潰れると強いニオイを放ち、口臭の原因になることもあります。本記事では、臭い玉の原因や取り方、予防法を解説します。
臭い玉とは?
臭い玉(においだま・くさいだま)の正式名称は「膿栓(のうせん)」と言います。これは、喉の奥にある「扁桃腺(へんとうせん)」という器官にできる小さな白い塊です。
臭い玉は、細菌やウイルスの死骸、食べかす、お口の中のカルシウムやミネラル成分などが一緒に、扁桃腺の小さな穴に溜まって固まってしまったものです。強い臭いを持つ「硫化水素」や「スカトール」などの成分が含まれており、腐った卵のような臭いやトイレの悪臭に似た臭いを放ちます。
臭い玉が潰れると、強烈な臭いが口の中に広がり、口臭の原因となることも。そのため、臭い玉ができた場合は、放置せずに適切に対処することが大切です。
臭い玉はどうやって取るの?
臭い玉は、せきやくしゃみで自然に排出されることがあります。しかし、ピンセットでつまんでみたり、綿棒でつついたりと、自分で取ろうとする方もいるかもしれません。
確かに、それで取れることもありますが、無理に取ろうとすると扁桃腺を傷つけてしまう可能性があります。そうなると、そこから細菌が入って炎症を起こしたり、他のウイルスに感染しやすくなったりすることもあります。
臭い玉が取れた後も穴が開いたままになってしまい、またすぐに新しい臭い玉ができてしまう可能性も高いです。
臭い玉は歯科医院で除去してくれると思われがちですが、残念ながら扁桃腺は喉の奥の方にあるので、歯科医院では取ることができません。臭い玉を安全に取り除くには、耳鼻咽喉科の受診がおすすめです。耳鼻咽喉科では、専用の器具を使って、扁桃腺を傷つけずに臭い玉を吸引してくれます。
とは言え、臭い玉ができる原因の一つには、お口の中の細菌が多いことが挙げられます。歯科医院で歯のクリーニングや歯石除去など、お口の中をキレイにすることで、臭い玉ができにくい環境を作ることが可能です。
臭い玉が気になる方は、まずは耳鼻咽喉科を受診して、安全に除去してもらうことをおすすめします。そして、定期的に歯科医院でお口のケアをし、臭い玉の再発予防につなげましょう。
口臭対策のための臭い玉予防法
臭い玉による口臭予防には、以下の方法があります。
●こまめに水分補給をする
お口の中が乾燥していると、臭い玉ができやすくなってしまいます。
唾液には、お口の中をキレイに保つ働きがあるのですが、唾液が減ると臭い玉の原因となる細菌が増えやすくなってしまいます。お口の中の潤いを保つためにも、こまめな水分補給を心がけましょう。水が良いですが、麦茶などノンカフェインのお茶もおすすめです。
●うがいで口腔内を清潔に保つ
食後や就寝前のうがいで口腔内を清潔に保ちましょう。特に、ガラガラうがいが効果的です。
また、うがい薬の使用も有効です。うがい薬には殺菌作用があるので、臭い玉の原因となる細菌の増殖を抑えてくれます。薬局で買えるうがい薬で十分なので、1日3回くらいを目安に習慣にしてみましょう。
●鼻呼吸を意識する
口で呼吸すると、お口の中が乾燥しやすくなってしまいます。すると、細菌が増えやすくなり、臭い玉ができやすい環境になってしまいます。
また、鼻呼吸には、空気中のホコリや細菌、ウイルスを鼻毛や粘膜でキャッチしてくれるというメリットもあり、アレルギーの発症を抑え風邪をひきにくくします。ぜひ、鼻呼吸を意識してみてください。
●一口30回を目安に噛んで食べる
よく噛んで食べることも臭い玉予防につながります。噛むことで唾液の分泌が促され、お口の中がキレイに保たれます。一口30回が理想的ですが、難しい場合、まずは一口あたり5回増やすことから始めてみましょう。
●3~6か月に1回歯科健診を受ける
虫歯や歯周病があると、お口の中の細菌が増えてしまう可能性があり、その細菌が臭い玉の原因となってしまうことがあります。お口の状態によって頻度は異なりますが、3~6か月に1回を目安に歯科健診を受けて、お口の中を清潔に保つことが大切です。
●食生活を見直す
バランスの良い食事を心がけ、免疫力を高めましょう。特にヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品を積極的に摂取するのもおすすめです。お口の中の細菌バランスが改善されて、臭い玉ができにくくなる可能性があります。
まとめ
臭い玉は誰にでもできる可能性があるもの。無理に自分で取ろうとせず、耳鼻咽喉科を受診して安全に除去してもらうことが大切です。
また、日頃からのこまめな水分補給やうがい、定期的に歯科健診を受けることが、臭い玉の予防につながります。
臭い玉が気になる方は、まずは耳鼻咽喉科を受診し、その後は歯科医院での定期的なケアと、今回ご紹介した予防法を試してみてください。