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【歯に銀歯がある方へ】レジンやセラミックによる詰め替え治療をおすすめする理由

「銀歯は少し気になるけど普段はあまり見えないから、このままでもいい」

このように、銀歯を積極的に白く詰め替える必要性を感じないという方は、見た目が気にならないから、といった理由が多いのではないでしょうか。しかし、銀歯を詰め替えることが推奨されるのには、見た目以外にもさまざまな理由があるのです。

そこで今回は、銀歯を詰め替えたほうがいい理由や、その方法について解説していきたいと思います。

銀歯を詰め替えたほうがいい理由

●金属アレルギーのリスクがある

メタルインレーとも呼ばれている銀歯は、虫歯などで比較的大きく歯を欠損した際に詰める、保険適用の部分的な詰め物です。

このメタルインレーの最も大きな問題点として、「金属アレルギー」のリスクがあります。金属の中でも、特にニッケルやコバルト、クロムなどはアレルギー性が高いとされていますが、これらの金属がメタルインレーにも含まれています。つまり、長期間の使用によって金属が腐食し成分が溶出することで、メタルインレーが引き金となって金属アレルギーを発症することがあるのです。

銀歯だからといって必ずしも金属アレルギーが起きるとは限りませんが、逆にアレルギーが起こらないという断言もできません。

●2次カリエス(銀歯の下の虫歯)になりやすい

銀歯は金属であるため比較的強度は高いものの、経年劣化によって変形することも少なくありません。このように、長期間の使用によって銀歯が変形すると、歯とメタルの間には肉眼では確認できないほどのわずかな隙間が生じることがあります。

この隙間にプラーク(歯垢)が停滞したり、細菌が隙間の中に入り込んだりすると、そこから「2次カリエス」と呼ばれる虫歯になる可能性が高くなってしまうのです。

よって、この2次カリエスになりやすいという点も、銀歯を詰め替えた方がいい理由の1つと言えるでしょう。

●歯ぐきが黒くなるリスクがある

長期間の使用によって金属が腐食し、成分が溶出することで起こるリスクは金属アレルギーだけではありません。特に、歯をすっぽりと覆うような被せ物(クラウン)や、歯ぐきに接するように銀の詰め物が入っている場合には、金属の溶出によって歯ぐきが黒くなることがあります。これは「メタルタトゥー」とも呼ばれていて、溶け出した金属が歯ぐきへと沈着することで起こる症状です。

メタルタトゥーは、組織への沈着が原因のため、銀歯を取り除いたからといって自然に治ることはなく、変色を治療する場合には別途自費の処置が必要になります。メタルタトゥーは歯ぐきへの危険性はあまりないものの、黒く変色した部分が目立ちやすいこと、治療するにも時間やお金がかかることなどから、見た目を気にされている方には銀歯の詰め替えをおすすめいたします。

●アマルガムが入っている可能性がある

「アマルガム」という単語を聞いたことはありますか?これは水銀と他金属の反応物であり、以前は歯科の詰め物治療にも度々使用されていました。しかし、近年では歯科材料の進化や環境汚染の観点から保険適用外になり、アマルガムによる治療は現在ほとんど行われていません。

しかし、昔いれた銀の詰め物がこのアマルガムだった、というケースは決して珍しくありません。歯科用のアマルガムは、無機水銀であるため人体に大きな影響があるという訳ではありませんが、劣化の防止や安全性をより高めるためにも、銀のアマルガムは詰め替えることが望ましいと言えるでしょう。

このようなリスクを考慮し、銀歯を詰め替える場合には、主に「コンポジットレジン」と「セラミックインレー」を用いた治療を行います。

コンポジットレジンとは

コンポジットレジンとは、虫歯治療で頻繁に使用される保険の白い詰め物です。歯を削った部位に直接レジンを流し込み、光で固めることで歯の修復をします。白といってもさまざまな色合いのレジンがあるため、周りの色と合わせることで自然の歯に近い色で仕上げることが可能です。強度の問題から、大きな歯の欠損にはあまり向いていません。

メリット

・比較的安価で治療ができる

・歯を削る量が少ない

・型取りがなく、治療回数が少ない

・自然な色合い

デメリット

・金属やセラミックに比べると強度が劣る

・経年劣化によって摩耗が生じる

・吸水性があるため変色しやすい

セラミックインレーとは

セラミックで作製するセラミックインレーは、色調や光沢が天然の歯と非常に似ていて、歯科医療従事者が見ても、治療跡がわからないこともあるほど、自然な白い詰め物です。

セラミックインレーと一言で言っても、さまざまな特徴をもつセラミック材料があるため、自分の口腔状態に合わせて選択できます。

メリット

・透明感があり、仕上がりも非常に自然

・唾液などに溶解せず、化学的に安定している

・人体との親和性が高く、歯の周囲組織への為害作用がない

・摩耗が起きにくい

・着色や変色のリスクがほぼない

・プラークが付着しにくい

デメリット

・保険適用外のため、自費診療となる

・歯を削る量が多くなる

・通院回数が最低でも2回必要

まとめ

銀歯はたとえ見た目が気にならなくても、金属アレルギーや歯ぐきの変色、虫歯のリスクなどがあるため、これらのリスクが不安な方や少しでも気になる方は、白いものに詰め替える治療をおすすめいたします。

白く詰め替える場合には、コンポジットレジンとセラミックによる治療が考えられますが、詰め替える場所の大きさ、かみ合わせの強さなどを考慮し治療することで、美しいだけでなく機能性の高い仕上がりにすることができます。

銀歯を白く詰め替えたいといった場合には、まずは歯科医院で相談し、口腔環境に適した治療を進めていきましょう。

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